ちょっと長めの真面目なコラムになります。
私は塾の先生のオンラインサロンに所属しています。全国の100名以上の塾の先生が所属していて日々意見交換・情報交換を行って、私も自らをアップデートさせようとして勉強しております。
そんなオンラインサロンにあった(ほかの塾の先生からの)投稿で気になるものがあったのでこちらでも取り上げようと思います。
それは
「みなさんの塾では質問対応はどうしてますか。」
というものです。
「え?質問対応なんてするの当たり前なんじゃないの?」
と思われる方も結構いらっしゃると思いますが、現実問題として質問がエスカレートすることってよくあるんですね。
どういうことかというと、一度質問して丁寧に答えてもらって満足した場合、「あれも聞いてみよう!」となって、下手したら学校のワークの半分くらいに(質問する目印の)付箋をつけて塾に来る生徒さんがいたりします。
塾の先生だから何でも答えられるでしょ、と思うかもしれませんが、初見で国語や英語の長文読解問題などをちらっと見て説明できるはずはありません。
私の場合、だいたい生徒さんの半分以下の時間では解けると思いますが、それでも長文を読むのに数分はかかるわけです。
大量の質問が重なると授業は成り立ちません。
ですのである程度質問対応に限界がある、というのが前提でお話ししたいんですね。
では、はるのきでどうしているか、というと質問は基本的に一旦すべて受け付けています。
一旦というのが結構難しくて、そもそも答えることのできない質問、答える必要のない質問、ヒントを与えることで最後まで時間をかける必要がない質問など、質問にもいろんな種類があるということなんです。
例えば数学が普段20点くらいの子が「次のテストで文章題が出るので教えてください」と来たら、「まだ早いから〇〇をやろう」と別の指示を出します。
なぜなら文章題は難易度が高く、それを解けるようにするための基礎がない状態では理解が難しいからです。(20点だとそういう状態だということです。)
まずは文章題にチャレンジできるように基礎問題(計算など)をしっかり練習して、50点取れるようになることを目指すべきです。
分かりやすく言うと、どれだけ頑張って文章から式を立てることができるようになっても、その式を計算できないなら〇にならない、ということですね。
他にはまだ丸付けをしていないワークを持ってきて「この問題を教えてください」ときます。私の返答は「丸付けしてないけど解説は見てみたの?」です。
丸付けをする前に私に質問して、解決して〇をつけるというのはとっても良くないです。できたことにしてしまう生徒さんがいるからです。質問をしてきた時点で、その内容は必ず復習する必要があり、質問しなければ〇になってませんから、それは×として処理したほうがいいんですね。
また、はるのきでは「自ら考える力」を身につけてもらいたいので、解説や映像授業で自力で解決できることのほうが上位の目標になるんですね。誰かに考えてもらって〇になっても、自分で次に〇にできないなら要復習です。
適切なレベル・タイミングの質問ももちろんありますが、その場合でも最初から最後まで教えることはしません。先ほどお話ししたように「自ら考える力」を身につけるために、ヒントや考える糸口を示して生徒さん自身に考えてもらいます。最後まで私が教えきったらその子の達成感や学ぶ機会を奪ってしまうという考えがそこにはあります。
質問が来たときの対応はケースバイケースで、その都度違いますが、こういったことを考えて質問に対応しています。
そうした適切なタイミングでない質問も多いのに、一旦すべての質問を受ける、という理由は、小中学生が自分の質問が適切かどうかをいつも正しく判断できるわけないからです。
「この質問は今の君にはまだ早い」とだけ生徒さんに伝えても「この先生は教えてくれない」とか「質問してはいけないんだ」ということを刷り込んでしまいかねません。
ですので、ずれた質問も一旦受けて、その質問について一緒に考え、そのうえでどうするかを生徒さんに決めてもらいたい、というのが理想です。
正直に言うと毎回それがうまくいくわけではありません。
ひょっとしたら「教えてくれない」と思わせたこともあるかもしれません。
ですが、ずれた質問を切り捨てることもしたくないですし、機械的にすべての質問に回答して生徒さんの成長を阻害することもはるのきの指導方針からは大きく外れます。
ですのでこれからも質問に関してはこうした姿勢を取り続けていくと思っています。
先ほど質問で最近忙しい、というブログをアップしたばかりでタイムリーだったので連投してしまいました笑
でも、こうした投稿から当塾の様子を想像していただけるとうれしいです。